ごあいさつ  会長 吉田和正

 新しい年を迎え、健友会の皆様におかれましては、益々ご健勝のことお慶び申し上げます。昨年より会長を任されております吉田でございます。日頃は健友会の運営に多大なるご尽力を賜り、厚くお礼申し上げます。

 

 昨年の今頃は巻頭言の話題として、真夏のオリンピックが天候の影響も受けず無事開催されるか、オリンピック後の景気動向はどうか、とか海外では11月の米国大統領選挙の行方とその後の世界情勢を心配しつつ、世の流れが非常に早くなっている。それに乗り遅れないようにしないと・・・と思いながら、巻頭言を考えていました。

 しかしながら、1年前は誰もが想定しなかったコロナウイルスの猛威により、今まで経験しなかったことが全世界レベルで起き、皆様は社会経済活動と感染拡大防止の両立や感染に気を付け、戸惑いながら新様式の生活を送っていると思います。

 4月7日の緊急事態宣言の下、4~6月の総労働時間は雇用者ベースでマイナス7.5%、過去のアジア金融危機、ITバブル崩壊、リーマンショックと比較しても突出した減少幅でした。人の動きが制限されたことで膨大な需要が消失し、世界中で失業、格差問題が深刻化しました。国内では安部首相が8月28日辞任を表明、7年8か月に及んだ長期安定政権に幕が下りました。米大統領選は11月11日の時点では、民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にし、米国の経済政策の行方が注視しされています。環境重視の政策を掲げ、世界での電気自動車や再生可能エネルギーの普及に影響を与えると言われています。

 

 新型コロナを機に生活習慣は大きく変わりました。デジタル化はコロナ対応で一気に加速し、多様な働き方が可能になりました。ワーク(労働)とバケーション(休暇)を組み合わせたワーケーションなる造語も知られるようになりました。一方で、リモートワークの欠点も指摘され始めており、会議においては「共感」がしにくく、他人と物事を構築作業がうまくいかないなどと言われています。新たな試みには新たな工夫が必要です。

 10月3日の中日新聞に、名古屋大学は新型コロナウイルスの影響で春から実験を除くすべての授業をオンラインにしていましたが、秋学期の開催を機に対面授業を一部で再開。一年生は入学から半年たってようやく講義に出席。教室の入口に消毒液、間隔を空けて着席、マスク着用といった記事がありました。健友会の活動も1月の共晶会・健友会共催の卒業生交流会以降は、健友会理事会も集まって議論するのではなくメール会議(郵便会議)での開催となりました。昨年3月の卒業生が化学工学科の最後の卒業生となり、健友会としては最後の世代です。健友会からマテリアル工学会の同窓会への具体化させる作業が必要とのことです。

 

 ここにきて、新型コロナウイルスの感染が再び勢いを増しています。規制を導入するのにあたり、それがもたらす経済的打撃を最小限に抑えようとしています。企業や一般社会においても今後いろいろな変化が出てきます。私たちも変化を受け入れなければならないと思います。新しいものが生まれるチャンスが来たと前向きに捉えることが重要かと思います。そんな中、早々に新型コロナウイルスのワクチンに目途が付き、皆様が企業、大学等で尚一層ご活躍されることを祈念致しまして挨拶とさせていただきます。