ごあいさつ  会長 吉田和正

 新しい年を迎え、健友会の皆様におかれましては、益々ご健勝のことお慶び申し上げます。2019年の理事会で前任の伊藤健二会長の後を受けまして会長を仰せつかりました吉田でございます。日頃は健友会の運営に多大なるご尽力を賜り、厚くお礼申し上げます。

 

 まずは自己紹介ですが、私は1986年卒業の31回生で旧第一講座白戸先生のご指導の下で固液分離を勉強させていただき、修士1年時に白戸先生が退官されました。翌年の記念講演の際は現在の会社に内定を戴いており、諸先輩に挨拶をする機会があったことが昨日のように思い出されます。同級生で3年間同じ研究室でともに学んだ故脇田前々会長、その後同じ研究室の先輩で社会人になっても30年以上ご指導いただいた伊藤前会長から依頼されましたことを何かの縁と考え、会長として適任ではないかとは思いますが、諸先輩方に劣らぬように精一杯務める所存ですので、宜しくお願い致します。

 

 さて、昨年は新元号令和になり、5月の新天皇即位、10月の即位礼正殿の儀、11月の祝賀御列の儀と例年にない行事や祝いごとがありました。また、10月には消費税が10%へ引き上げになりました。産業界でも自動車業界は100年に1度といわれる変革期と言われ、他の業界AI、IoTなど革新的な技術の進歩や異業種間の連携や業界の再編が進んでいます。

 国内では来年のオリンピック/パラリンピックが終わった後の景気後退がどのタイミングで来るか分からないように先行きに不透明感が強まっています。また、全世界的にも米中摩擦による中国経済の減速、英国による欧州連合離脱問題等々、時代の変化に取り残されないことが重要かと思います。これからのキーワードは「変化への対応力」と思います。今は世の流れが非常に早く、以前は3年から5年で起きていたことが半年くらいで変わってきています。

 一方で台風15号の風水害や多数の堤防が決壊し甚大な被害をもたらした台風19号、その約2週間後の記録的大雨のように毎年のように大きな被害を出す大規模災害が頻発しています。私も一昨年の夏に「特別警報」を体験しました。数十年に一度の大災害が起こると予想される場合に発表され、ただちに命を守る行動をとることが推奨されています。今回被害にあわれた皆様に謹んでお見舞い申し上げ、一日も早い復旧がなされますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

 これからの時代に合致すべく変革することとスケールの違いはあるかもしれませんが、私たちが卒業した化学工学科も分子化学工学、そしてマテリアル工学と変遷をしています。今回の役職を拝命するにあたり弊社の人事部に同窓生がどれくらいいるか確認しました。人事部長も後輩であることが分かりましたが、名前の変遷や分離・合併等ではっきり分からないのが実状でした。個人情報の取扱で出身校を出さない時期もあったことも影響しているかもしれませんが、人と人の繋がりが希薄になっているように感じました。働き方の多様性は間違いなく進みます。以前は転職や独立した元社員を「裏切り者」とした風潮が拭えず関係が遮断される傾向が強かったですが、近年このような関係を見直そうとした動きが出ています。大学の卒業生や同窓生の見直しを行い、新たなネットワーク作りに活かしてみてはいかがでしょうか。

 

 この挨拶文は共晶会、健友会の巻頭言に記載されますが、両同窓会は当面は完全な統合ではなく、共晶会、健友会、マテリアル工学科同窓会の三者が新同窓会の枠の中で独立・連携する形を想定していますが、時代に合った統合と思いますので、卒業生の皆様も宜しくお願い致します。最後に本年も皆様が企業、大学等で尚一層ご活躍されることを祈念致しましてご挨拶とさせていただきます。