ごあいさつ  会長 伊藤健二

 

健友会の皆様、新年あけましておめでとうございます。

 

会長の伊藤でございます。会長就任2年目となりますが、本年もよろしくお願い申し上げます。また、日頃は、健友会の運営に多大なるご尽力を賜り,厚くお礼申し上げます.

 
 さて、平成29年となりました。昨年平成28年を振り返ると、世界をあっと言わせる誰も予想しえなかったニュースが世界中を飛び回りました。

 

印象に残ったのは、昨年イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票がイギリスで6月23に実施され、大方の予想を裏切り、英国民はEUからの離脱、すなわち「ブレグジット」(Brexit)を選択しました。ここで、Brexit(ブレグジット)とは、”英国のEU離脱”を指す造語で、「British(英国:イギリス)」と「Exit(離脱)」の2つを組み合わせて造られました。

この様な造語まで作られるほど、英国のEU離脱が決まれば、経済や政治に大きな影響が出ることは必須で、欧州、世界に波紋する影響は大きく、離脱のための交渉は今春から開始予定ですが、EU離脱によりイギリス自体も今後、大きな試練が課されることになると考えます。

 

2016年後半は、アメリカ合衆国大統領選挙が201611月8アメリカ合衆国で実施され、2期にわたって大統領を務めたバラク・オバマの立候補はアメリカ合衆国憲法修正第22の規定によって認められないため、民主党ヒラリー・クリントン氏と共和党ドナルド・トランプ氏が対決し、多くの世論調査を覆しドナルド・トランプ氏が勝利しました。史上空前の不人気者同士の一騎打ちを制したトランプ氏ですが、「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」以外、経済政策思想上の理念があるようにはどうにも思えません。 

トランプ氏は、掲げる優先政策分野として、税制改革やインフラ投資、規制緩和などを挙げている一方で、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や環太平洋連携協定(TPP)離脱、移民コントロール強化などの保護主義的な方向への政策の見直しなどを挙げています。理念がない政策だけに、今後の政策の先行きは読み難く、よく言えば柔軟ですが、先入観にとらわれてばかりいると足元をすくわれかねない状況に陥るのではないかと懸念しています。

 

前述の2件のニュースは、いづれも内政重視、自国優先政策方向に向きつつあることを示しており、世界がグローバルで発展、問題解決を図ろうという国際協調してきた動きに水をさすことだけに今後さらに拡大、波及しないことを願っています

 

さて、肝心の日本はどうかと言うと、民進党など自公民以外の党の支持者の皆さまには大変失礼とは思いますが、現在の日本の政治はある程度、安部政権の独断場であると思います。  

現在までに安保関連法案、特定機密保護法やIR法案、TPPに関連する法案など成立や審議中のものも含まれると過去の積み残した分も含めて、議員の数にものを言わせる形で審議、成立が進んでいるように思われます。 

今の日本は比較的安定した政治体制の中、世界での立ち位置を明確にし、プレゼンスを高める必要はありますが、国内経済、雇用や社会保障など国内問題を多く抱えているだけにバランスのとれた国内外の政策を行って、より良き日本の未来を築くべく導いていただきたいと思います。 

 

最後に健友会におきましては、今年4月の名古屋大学工学部・工学研究科改組の中で、従来「金属工学科」の一部の「材料工学」と「分子化学工学科」が融合して新しく「マテリアル工学科」に合併、改組となる影響を受け、旧来の「化学工学科→分子化学工学科」へと引き継いできた同窓会健友会の活動の維持が、今後困難となってきます 

 

これはどういうことであるか説明しますと、前述の様、今年4月に従来の「金属工学科」の一部の「材料工学」が「金属工学科」が改組されてマテリアル工学科」となることで、2年後の工学研究科の卒業生は、旧来の「化学工学科→分子化学工学科」の同窓会の健友会としてではなく、「マテリアル工学科」同窓会として新しく立ち上げるなど健友会とは別の同窓会の運営となる必要があるからです。  

できれば「材料工学」と「分子化学工学科」が融合して「マテリアル工学科」となるように同窓会組織も融合できればと考えましたが、現段階では積み立ててきた会費や名簿の運営など難しい課題が多く、融合案については未だよい解決策が見つかってはいません。

 今後ともこの件に関しましては健友会の理事会などで協議を重ねて、ホームページ会報などを通じて、皆様に逐次ご意見を伺いたく思いますので、その際には、よろしくご協力の程、お願いいたします。 

改組の影響を受けるまでの間は、従来通り各種行事やホームページ会報などを充実させ、これまでと変わらない現役学生と卒業生との交流を当面継続させていきますので、今後とも皆様のご協力とご理解の程、よろしくお願いいたします。

 

 

最後に健友会の皆様におかれましては、本年も企業、大学等で尚一層ご活躍されることを祈念いたしまして巻頭の挨拶とさせていただきます。