学部2年生向け講義『プロセス基礎セミナ』   運営委員長 向井康人

 毎年学生達から高い評判を得ている「プロセス基礎セミナー」を今年度も開講しました。競技テーマは昨年度に引き続き『“こな”を輸送する装置の開発』で、学部2年生45人からなる12チームが互いに切磋琢磨しながら、精巧な装置開発を目指して競い合いました。固定容器Aに仕込んだケイ砂を、上方50cmに設置された固定容器Bへと、15分以内に目標値465gだけ輸送するというのが基本ルールで、12チームがそれぞれに工夫を凝らしたユニークな粉体輸送装置を考案・製作しました。

 

 以下に、製作された装置のほんの一部を紹介します。

 

(1) 図1はベルトコンベア方式の装置です。モーターの回転によってゴム製のベルトが下から上へと移動し続けます。このとき、ゴムの摩擦と等間隔に置いた仕切りによって、下方のケイ砂が上方へと効果的に運ばれます。

 

(2) 図2はスクリューコンベア方式の装置です。ホースを図のように螺旋状に巻き、モーターでこれを回転させます。下方のケイ砂は回転により自動的にホースに入り、そのまま回転によって連続的に上方へと輸送されます。

 

 ほかにも、掃除機を利用した吸引型の空気輸送方式、ドライヤーを利用した送風型の空気輸送方式、滑車とおもりによって粉体を持ち上げる方式など、さまざまな粉体輸送装置が製作されました。

 

 本セミナーを実施するにあたり、卒業生(健友会会員)の伊藤貢悦氏(三菱化学())、鈴村泰史氏(新日鉄住金ソリューションズ())、古田亮一氏(アイシン化工())には招聘教員に就任いただき、学生のご指導とご評価をいただきました。また、健友会には優秀な成果を収めた上位チームへの褒賞を賜りました。ここに記して、厚く感謝の意を表します。

 

図2 スクリューコンベア